健康食品で薬の作用が弱くなる話。クロレラ食品をのんだら血液をさらさらにする薬の効果が落ちていた。
2011年7月19日 | 健康コラム
飲み合わせに注意必要
クロレラ食品は健康食品として、広くのまれていますが、クロレラ食品と抗凝血剤の「ワルファリンカリウム」という薬を一緒にのむとワルファリンカリウムの効果が弱くなります。健康食品と薬の飲み合わせには注意が必要です。
このワルファリンカリウムは静脈血栓症、心筋梗塞(こうそく)症、肺塞栓(そくせん)症などの治療・予防に使われる薬です。血液が固まって血管がつまるのを防ぐためにのまれています。つまり、このような病気の人には、この薬は「命綱」なのです。
薬局窓口で実際にこのような事例がありました。
初めてAさんが処方せんを持ってきたときのワルファリンカリウム錠の量は、一回1mg錠を一錠でした。数ヵ月がたち、この薬の量がどんどん増えていきました。毎回病院でお医者さんは、トロンボテストという血液の固まりやすさをみる検査をしてワルファリンカリウムの量を決めているのですが、気がついてみると一回1mg錠を五錠までのむように増えていました。
薬剤師は、現在のんでいるほかの薬との飲み合わせは全部調べましたが、特に問題はありませんでした。
患者さんとさらに話し合いが始まりました。
薬剤師「Aさん、最近、健康食品のんでねが」(Aさん、最近、健康食品飲んでいませんか?)
Aさん「最近クロレラをのんでるんだ。体さ、いいって聞いだはんで」(最近クロレラをのんでいます。体にいいって聞いたものですから。)
分かりました。ワルファリンカリウムの量が増えている原因は「クロレラ食品」でした。クロレラ食品がAさんの命綱のワルファリンカリウムの効果を弱めていたのです。このためクロレラ食品をのむことをやめさせ、この状況を主治医に報告しました。主治医も不思議に思っていたそうです。ワルファリンカリウム錠の量は、元の量に戻りました。
ちなみにこの薬の効果が弱くなる元の原因は、クロレラ食品に入っているビタミンKが原因なのです。つまりワルファリンカリウムは、ビタミンKと一緒にのんではいけないのです。
さらにビタミンKがたくさん入っている、納豆、青汁、モロヘイヤのスープ、ホウレンソウを一日三食食べることなども、気をつけなければなりません。ほかの食品や薬との飲み合わせ、食べていい量など、気を付けなければならないことはまだまだあります。詳しくは、かかりつけのお医者さんや薬剤師にご相談ください。