昨日は皮膚科で今日は耳鼻科…。アレルギーが原因の掛け持ち受診で薬をもらう時の注意は?
2011年7月19日 | 健康コラム
「眠くなる」成分が重複
よく薬局の窓口で、お母さんたちから「昨日は皮膚科で、今日は耳鼻科。」、または「小児科とも掛け持ち、季節によっては眼科も行かなきゃ。」なんて、大変な状況を聞きます。
アレルギーが原因で皮膚科、耳鼻科、小児科、眼科の掛け持ち受診をされる患者さんが、お薬をもらう時の注意の話です。
人間の体は、抗原(ダニなど)が体に入るとアレルギー反応を起こし、いろいろな症状が出ます。人によって体から出る警告サインが違います。症状が出る人と出ない人もいます。
代表的な症状は
1.せきが出る(気管支ぜんそく)
2.鼻水・鼻づまり(アレルギー性鼻炎)
3.皮膚がかゆい(アトピー性皮膚炎)
4.目がかゆい などが挙げられます。これが季節によって出る人と一年中出ている人とがいます。抗原によって違うのです。
抗原にもいろいろありますが、代表的なものを挙げます。
季節性で有名なのは、花粉症の原因の花粉です。春はスギ、ヒノキ、夏にかけスズメノテッポー、カモガヤ、秋にはヨモギ、ブタクサの花粉が原因でアレルギー症状が出ます。
通年型では、ハウスダスト、ダニ、ペットの毛など一年中体の中に入りやすいものが原因でアレルギー症状が出ています。
アレルギー症状が出るあなたの抗原を、かかりつけのお医者さんに調べてもらい、この抗原が体に入らないよう工夫しましょう。
気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトビー性皮膚炎の治療には、さまざまな薬が使われますが、共通しているのは、アレルギー性疾患治療剤のペミロラストカリウム、オキサトミド、フマル酸ケトチフェン、トラニラスト、塩酸アゼラスチンなど、抗ヒスタミン剤のフマル酸クレマスチン、マレイン酸クロルフェニラミンなど、抗アレルギー剤の塩酸シプロヘプタジンなどが使われます。
アレルギー性疾患治療剤は、治療には大切な薬ですが気管支拡張剤、ステロイド剤、抗ヒスタミン剤等と違い、すでに起こっている症状や発作を速やかに軽減する薬ではないので、このことを十分理解して使ってください。速やかに症状を軽減するための併用薬もきちんと使ってください。
アレルギー疾患治療剤、抗ヒスタミン剤などは眠くなる薬が多いのが特徴です。複数の病院を掛け持ちすることが多いアレルギーの病気の人や、お子さんがそのような状態の場合は、眠くなる薬が重なる確率がさらに高くなります。
自分の服薬記録の「お薬手帳」を持つことで、今のんでいるすべての薬をきちんと管理できます。薬剤師に、のむ時の注意事項を書いてもらいましょう。
仕事中や幼稚園、学校で眠くて我慢できないーなんてことを避けたいものです。